読み始めた本に面白い表現がある。
「幕末明治風俗逸話事典/紀田順一郎」。
147ページ,冷泉為恭の暗殺、冒頭部分を引用する。

ー人を斬るにはさまざまな大義名分がある。しかし、人を売る大義名分は一つしかない。
 「彼は金が欲しかった」これだけである。ー「幕末明治風俗逸話事典/紀田順一郎」より引用。

金のためなら、人は何でもやる。
会社勤めだって、本当はやりたくないと思っても、金が欲しいからやる。
人間の性だろう。
金がなければ、何も出来ないのだから。

武士は喰わねど高楊枝、なんてのは、多分嘘だ。
戦国武将だって、結局は金が欲しいから領土拡張に走ったのだろう。

そう考えると、歴史上の登場人物であっても妙に人間臭く、親しみやすい存在に思えてくる。
喰えるか喰えないか。
結局は、万事そこへ辿り着くのだ。

コロナ禍だって、そうだ。
営業時間短縮しろと言われても、そんなことをしたら喰ってゆけない。
そういう事情があるから、従わない人が出てくるのだ。
自粛を要請するのなら、その分の休業補償がなければならない。

この国の賃金は、この30年間でどんどん下がり続けて、最早、自分が子どもだった頃普通に生活出来ていたのが、出来なくなっている。若い人が結婚出来なくなり、子どもを持てなくなる。子どもを持っても大学まで行かせてやることが出来ない。
何でこうなってしまったのか。
この国は、最早”先進国”とは言えない。

そう考えると、この記述を嗤えない。