編者の名前の漢字がどうしても出ない。

大正時代は、好きな時代だ。
自由の空気が漂い、文化が醸成された時代。
たった15年間ではあったが、日本人の生活がガラリと変わった時代だ。

とは言え、農村に於いてはそれほど変化があった訳ではなかったようだ。
朝から晩まで労働、また労働。
それでいて、米は食えない。

農村を飛び出した次男、三男などは、都会でサラリーマン(或いは職工)となり、核家族を形成する。
皆が皆、大家族という訳でもなかったようだ。

新中間層と呼ばれたエリートサラリーマンの生活は、贅沢なものだった。
新聞、雑誌を読み、女中を雇い、子どもを私立に通わせる。

大多数だった貧民には、とてもそんな余裕はない。

義務教育が普及した、と統計上ではそうなっているが、現実は家の手伝いで中途退学する子どもが多かった。赤ん坊をおぶって授業を受けたりも。
新中間層が登場したとは言え、まだまだ国民の多くは貧困に喘いでいた。